2011年10月28日金曜日

「守護霊」の語り内容の検証その4

(その3からのつづき)
⑤ 浅間山噴火等に関わる人柱伝承の有無について
渋川市には旧石器時代から人が住み着き、長い歴史と伝統がある。当然のことながら伝説・伝承も多く残されているようです。
これを研究した資料には、渋川地区教育振興会編『榛嶺(はるみね)から子麓へ』や『郷土渋川』全二○巻があります。
入内島一崇氏と渋川市図書館員大塚昌彦氏の二人に精査していただいたが、渋川周辺では、人柱にまつわる伝承は全く記載がなかったとの回答をいただきました。
偉大な存在者の言うとおり、タエの存在につながる人柱の伝説・伝承の記録は、全く残されていないことが確認できました。
⑥ 「馬の口取りのために」という古風な言い回しについて
「馬の口取りのために」という古風な言い回しが、具体的になにをどうすることかを理解できる人はほとんどいないと思われます。現在では競馬関係者くらいしか用いない言い回しでしょう。
したがって、里沙さんの語彙に「口取り」があるとは考えにくい。里沙さんに確認しましたが、ビールの口取りなら知っているが、馬の口取りという言い回しは知らないという回答でした。つまり、里沙さんの知らない言い回しを偉大な存在者は語ったことになります。
⑦ タエの生まれ変わり回数について
ここでの検証は、偉大な存在者の語った内容と、タエの魂の語った内容の整合性の検証です。
偉大な存在者は、生まれ変わりについて「天明、タエが初」と言っています。
一方タエの魂は、次の生まれ変わりをしたいと思わないくらい中間世の居心地がいいのか、という質問に対して「・・・分かりません。・・・生まれ変わる?」と戸惑いながら答えています。
再度同じ質問をしても「分かりません」と答えています。
筆者が二度も同じ確認をしたのは、他のクライエントの場合は、例外なく中間世に留まり続けたいと答えているので、「分かりません」というタエの回答に疑問を感じたからでした。
しかし、偉大な存在者の言うとおり、里沙さんの魂がタエに宿ったのが初であるなら、生まれ変わりをしたことがないために、「・・・分かりません。・・・生まれ変わる?」としか答えられないのは了解できるのです。
したがって、生まれ変わりに関する、偉大な存在者とタエの魂の双方の語りには、整合性があり矛盾がないといえそうです。
ここまでで、「タエの事例」におけるタエと守護霊の語りの19項目の検証は終わりです。
【検証結果のまとめ】
タエの語った12項目のうちキチエモンの姓が{堀口」であったことを除けばすべて史実や事実関係との矛盾はありません。
守護霊の語った7項目では、キチエモンの姓が「クロカワ」であると語っており、これもタエと同じく史実と食い違っています。馬頭観音堂の所在の特定と埋納されたタエの左腕については検証不能でした。
全体として見れば、19項目中16項目が史実・事実関係に矛盾がなかったということになります。
また、残り3項目についても、姓の違いと検証不能ということであって、完全な誤りは認められませんでした。
実に84%の一致率ということになります。
そして、里沙さんへの執拗な聞き取り調査によっても、検証した19項目についての情報を一切持っていないと証言しています。
さらに、ポリグラフ検査によっても、タエに関する情報を知っていたという認識(記憶)は全くない、という鑑定結果でした。
被験者里沙さんの知っているはずのない情報を、タエと守護霊が語っている、という事実をどのように考えたらいいのでしょうか。
この考察は、「ラタラジューの事例」の検証後にじっくり述べることにします。
さて、筆者には守護霊の語りで引っかかり続けた文言があります。
それは、タエの記録がどこかに残っていないかを尋ねたとき、「女は、道具です」と守護霊が吐き捨てるかのごとく冷たく言い放ったことでした。
一般論としては、男尊女卑の江戸時代、しかも孤児であったタエが、農作業の「道具」として使役され、人柱として(龍神へのお供えですからこれも道具として扱われて)16歳の命を落としたことを指している、と解釈できるでしょう。
人間扱いされなかった「道具」であるタエが記録に残ることはない、ということだろうと当初思っていました。
しかし、セッション後しばらくして、タエがフラッシュバックして語ったことによると、タエの人柱には秘密が隠されていたようです。
タエは、ある人物によって慰みものにされ、妊娠させられていたというのです。
その人物にとってタエの妊娠はきわめて不都合なことであり、タエを人柱に仕立て上げることによって妊娠の事実を闇に葬ることを企んだ、とタエは里沙さんに訴えたということでした。
この人物については、読者のみなさんのご想像にまかせます。
そして、このタエの訴えを里沙さんが私に話したことを境に、それまで渋川や吾妻川や浅間山と聞くだけで頭痛や吐き気を催した里沙さんのそうした不快な症状がピッタリ止まったそうです。
このタエの不思議なフラッシュバックを事実だと認めると、タエは自分の人柱になったことの隠された秘密を第三者に知ってほしかったのだろうと思われるのです。
それを果たしたのでタエは鎮魂され、結果として里沙さんの症状も改善されたと考えるのは穿ち過ぎでしょうか。
タエが、ある人物の慰みものとして扱われたことは、まさに性の「道具」であったわけです。
守護霊は、こうした意味も込めて「女は、道具です」と怒りを含みながら言い放ったと私には思われるのです。
それでは次回から「ラタラジューの事例」の検証を述べていきます。

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