2011年12月24日土曜日

前世人格に関する考察その3

(その2からのつづき)
③ 人格形成に及ぼす前世人格の影響

SAM前世療法の明らかにしてきた現象として、不都合な精神的症状や性格特性は、前世人格の持つ体験が多かれ少なかれ影響をもたらしている、という多くのクライアントの示す事実を無視することはできません。
こうしたことから、人格の形成の要因には遺伝と環境に加えて、前世人格の体験という第三の要因を考えるべきではないかという提案は、あながち的外れの誤りではないと思われます。
各種恐怖症、強迫観念、特異な能力、変わった性癖などは、精神分析的な回りくどい解釈を持ち出さなくとも、前世人格のそうしたことに関わる具体的体験や状況を探り、それに照らして理解したほうがよほどすっきりと解釈できることは確かです。
実際に、主訴に関わる前世人格の心的外傷を癒すことによって、少なからぬクライアントの諸症状の改善が連動して起こる事実は否定できません。
生まれ変わりと前世人格の影響を認めることは、人間の性格特性や特異行動を説明するうえで、従来の心理学上の様々な考え方で解釈するよりも、より説得力があるように思われます。
私には、人格上の不可解な特性などの理由を説明することが行き詰まったときに用いられてきた「生まれつきだ」という説明にならない説明は、前世人格からの影響を受けていると考えられる、という説明に置き換えることが妥当のように思われます。
したがって、今後多くの諸事例をさらに累積し分析をしていけば、現行の人格形成の理論的枠組みに、前世人格からの影響という要因を加えるなどの検討を迫ることになるかもしれないと思われます。
生まれ変わりの研究者イアン・スティーヴンソンが、バージニア大学の自らの研究室を「人格研究室」と名付けていたのは、上記のような考え方にもとづくものだと聞いています。
(つづく)

0 件のコメント: